SNS、心地よさにはらむ弊害

ソーシャルメディア各社の競争が激化している。
ツイッター社は経営陣の一新を発表した。新たに最高マーケティング責任者も採用し、ツイッターの価値をより幅広いマーケットに伝えるべく、改革姿勢を明確にした。フェイスブックに比べて鈍化しているユーザー数の伸びを回復できるのか注目されている。
フェイスブックは、海外でテスト中だった「いいね!」ボタンの機能拡張を日本でも行った。「超いいね!」や「ひどいね」といった種類の喜怒哀楽の感情をアイコンとして選択できるようになり、タイムライン上で投稿への様々な反応が生まれている。例えば「誰かが亡くなった」といった投稿に「いいね!」をつけることは違和感があったが、より自然な「悲しいね」を選べるようになった。
しかし、この機能拡張によって起こる弊害を懸念する声もあるようだ。これによって、SNS上での人々の「分断、囲い込み」が一層進むと考えられるというのだ。
ツイッターとフェイスブック両方使っていると、表示される情報に違いがあることに気づくだろう。同じ内容を投稿しても、ツイッターには表示されるもののフェイスブックの友達のタイムライン上にはあまり表示されていなかった、ということがあるのだという。これはフェイスブックがソーシャルグラフと投稿を見た人々の反応をもとに、ユーザーごとに表示される情報を選別しているために起こるそうだ。
一方、ツイッターは基本的にフォローしているユーザーが投稿した情報がリアルタイムに表示される。ただ、一部ではフェイスブックのようなアルゴリズムによる表示も検討しているようだ。そんなツイッターのタイムライン上では、ユーザー同士が激しい議論を交わすことがある。時にそれは誹謗中傷にも発展し、さながら路上で酔っ払いがケンカをしている様子を眺めているような気持ちになることもある。
「目にしたくないものも目に入る」ツイッターと、他人の反応で自動的に情報が選別されるフェイスブック。後者が目指すのは「心地いい空間」であり、今回の「いいね!」ボタンの機能拡張はそれを促進するものになるのではとのこと。
ツイッター上で始まる議論は有意義なものにならないことも多いが、それでも「異なる価値観に触れる」貴重な機会を提供しているともいえる。その特色に「ツイッターが社会を変え得るメディアになる」という期待を持つ識者も少なくないという。
多くの人がSNSを利用し、その現実の姿が明らかになった今こそ、各SNSの特徴を理解して使い分けを意識しながら活用しなければならないだろう。